中絶~僕は君を殺したい~
6‐4 一人




「ダメでした」



帰り道、ちひろせんぱいに電話をかけた。



「あきらめるの早すぎ」



「見てたんですか?」


「まだ20時にもなってないのに電話してきたらそりゃわかるよ」



「…すいません」



「あやまるのはわたしじゃないでしょ?また話聞いてあげるから昨日の居酒屋にいなさいよ」



「はい」



携帯電話をたたむとパッタリと音が消えた。


< 40 / 87 >

この作品をシェア

pagetop