中絶~僕は君を殺したい~
6‐5 どうでもいい



きしむスプリングの音とむねのいたみをかさねあわせた。



ただなぐるように



たださけぶように



ただちひろせんぱいを抱いてしまった。



おさえきれない気持ちがそうさせた。



…なんて言いわけ。



ぼくはもう何もかもどうでもよくなった。



あきのこと。



子供のこと。



仕事のこと。



気持ちいいって腰をふる女のこと。



それに発情してるぼくのこと。



つかれたんだ。



…とっても。



ぼくはイケなかった。


肌をかさねてもさみしさだけが大きくなる。


会いたくなった。



むしょうにあきに。



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