中絶~僕は君を殺したい~
9‐3 小田




仕事先に新人が入る。



小田、だ。



オドオドして爪をかむくせがある。



「なにをすればいいでしょうか」



細いこえ。イタズラで誰かにそめられたようなかみのいろをしている。



「とりあえずシーツをかえてほしい」



わかりました、と小田が部屋に入る。



ギャーッとあかねちゃんが泣いた。



小田の足が止まる。



「大丈夫だよ」



ぼくがサッとだきかかえると少しずつ泣きやみだした。



はやくかえて、と口パクで言った。



小田はゆっくりとシーツへ向かって歩きだした。



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