中絶~僕は君を殺したい~
9‐4 ビリヤード




「どうだった?」



キューの先にチョークをぬりながらたずねた。



どうって言われてもな、とゆうや。



「げんきにしてるけど?会ってんだろ?」



「まぁ…うん」



3番ボールが7番ボールをはじいてコトン、とポケットに入った。



「さいきんさ、きょりを感じるんだ」



「元に戻っただけだよ。子供がいなけりゃそんなもんだってば」



「全然ふれてないし」


「何年も付き合ってたらそうなるんじゃないか?」



「気にしすぎかな?」


「そうだろうな。気にするよりはやく打てよ」



そう言われ、ぼくはキューをかまえた。



9番ボールを落とせれば、なんて考えてアホらしくなった。



…考えすぎか。
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