中絶~僕は君を殺したい~
11-2 理由
ぼくはそれでもあきにキスさえ出来ずにいた。
こんなにも気分はいいのに。
アイラインだけ引いているあきのねがおを見る。
とじたまぶた。
みじかいまゆげ。
だんごみたいな鼻。
したくちびるがぶあついくちびる。
めせんをふとんの中へもぐりこませる。
ちいさなむね。
さこつ。
ほそいうで。
ピアノをやっていた細く長いゆび。
下腹のあたりでそえられている。
なにかを守るように。
いのるように。
みぎてのひとさしゆびで左手の甲をなでている。
のどがコクン、と動いた。
くちびるをなめて
ためいき。
ぼくはふれる気になれなかった。
「もっと・・・もっと・・・強いくすりがなきゃダメなのかな」
ぼくはつぶやいた。
どんどん落ちていくような気がする。
でも
止められないんだ。
ぼくはそれでもあきにキスさえ出来ずにいた。
こんなにも気分はいいのに。
アイラインだけ引いているあきのねがおを見る。
とじたまぶた。
みじかいまゆげ。
だんごみたいな鼻。
したくちびるがぶあついくちびる。
めせんをふとんの中へもぐりこませる。
ちいさなむね。
さこつ。
ほそいうで。
ピアノをやっていた細く長いゆび。
下腹のあたりでそえられている。
なにかを守るように。
いのるように。
みぎてのひとさしゆびで左手の甲をなでている。
のどがコクン、と動いた。
くちびるをなめて
ためいき。
ぼくはふれる気になれなかった。
「もっと・・・もっと・・・強いくすりがなきゃダメなのかな」
ぼくはつぶやいた。
どんどん落ちていくような気がする。
でも
止められないんだ。