中絶~僕は君を殺したい~
11‐7 あき



手をつかむとベッドにおしたおした。



ちょっと、とあきが言った。



うるさい、とあきをなぐる。



ぼくはRPGをしているようだった。



コントローラーで「ぼく」を動かしている。


つらいんだ、



きいてくれ、



いたいんだ、



みじめだ、



くるしい、



すきだ、



あいたかった、



近くにいてくれ、



コマンドを入れるとすべてが「なぐる」にへんかんされるんだ。



うれしい、



ありがとう、



すきだ、



ぼくの手がしびれてきている。



あきがやめて、と言った。



ぼくはショックだった。



きょぜつされた。



ぼくはあきの細いクビに手をやる。



ギュッ。



あ…



…あ…ぁ…あ…ぁぁ



ボリュームをゆっくりとひねるようにあきの声が小さくなっていく。



あきの声が聞こえなくなり、ぼくの手をほどこうとした手が床に力なくおちた。



ぼくは泣いた。



ごめん、と泣いた。



いしきを失ったあきのむねで泣いたんだ。



ぼくはこわれたんだ。


あれだけふれられなかったあきにふれて



なぐって



なぐって



泣いて



それから



エッチがしたくなったんだ。



じぶんがこわくなる。


でも



止められない。



いしきを失ったあきのスカートの中に手を入れてパンツだけぬがした。



じぶんのそれをむりやりにおしこんだ。



「あき、好きだ」



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