中絶~僕は君を殺したい~
12‐6 遺体



「どうなるんですか?いつきは」



あきが聞いた。



「引き取り手がないのでこのまま安置所に置かれますね」



置く、と言う言葉に引っかかった。



「その後は…?」



「そうですね。ボランティア、と言う形で解剖医のくんれんに使用されます。」



「それは…あの…」



「くすりで亡くなられるとこの部分に反応が出て、とかそういう説明に使われます。だいたいがその後に焼却されますね」



「…引き取れないんですよね?私は」



「えぇ。婚約をなされているわけでもなければ内縁のつま、と認められることもないでしょう。」



「でも…そうぎくらいは…」



「こんどういつきさんの親族、または親戚の方でなければむずかしいと思います」



あきはいつきにとってなんだったのか、と考えてしまう。



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