中絶~僕は君を殺したい~
2-2 タダシくんと数字
「自閉症はね、アメリカでは進化した人と呼ばれているんだよ」
藤田さんがそう言った。
部屋ではタダシくんのさけび声が続いていた。
今では電車が通るのを見ているような感じだ。
「なぜですか??」
藤田さんはメガネをはずし、つかれた様子で目と目の間をつまんだ。
「コンピューターのようにせいかくに計算が出来るからだよ。どれだけ大きな数字でもどれだけふくざつな数式でもとける。それもまちがえることはないよ。人はいずれ必要でないものをなくし、必要なものだけを残すようになる。ってね」
「人と人とのつながりは必要ではないものでしょうか?」
「学者にとっては必要のないものかもしれないな」
「ぼくはそうは思わないですよ。」
「まぁわたしもそうは思いたくないよ。なかたくんはさみしいんだよ。だからああして数字をならべることでさみしい気持ちをまぎらわせているように見える」
「そうですね」
「人と人とは関わりあっていきていかなければならない。人は一人では生きていけないんだよ」
藤田さんの言葉がむねにささった。
「自閉症はね、アメリカでは進化した人と呼ばれているんだよ」
藤田さんがそう言った。
部屋ではタダシくんのさけび声が続いていた。
今では電車が通るのを見ているような感じだ。
「なぜですか??」
藤田さんはメガネをはずし、つかれた様子で目と目の間をつまんだ。
「コンピューターのようにせいかくに計算が出来るからだよ。どれだけ大きな数字でもどれだけふくざつな数式でもとける。それもまちがえることはないよ。人はいずれ必要でないものをなくし、必要なものだけを残すようになる。ってね」
「人と人とのつながりは必要ではないものでしょうか?」
「学者にとっては必要のないものかもしれないな」
「ぼくはそうは思わないですよ。」
「まぁわたしもそうは思いたくないよ。なかたくんはさみしいんだよ。だからああして数字をならべることでさみしい気持ちをまぎらわせているように見える」
「そうですね」
「人と人とは関わりあっていきていかなければならない。人は一人では生きていけないんだよ」
藤田さんの言葉がむねにささった。