新・私と君とのオベシャニエ
脱出と怒り
ここ……どこ?

目を開くが何も見えない。

目辺りに感触がある事から目隠しをされているようだ。

私は冷たい床……多分コンクリートだろう、その上で寝ている状態みたい。

とりあえず、起き上がろうとしたが頭に激痛が走った。

ガチャ。

え……?

起き上がろうとした時手首辺りに異変を感じた。

もう一回後ろで固定されている手首を動かしてみた。

ガチャ。

さっきと同じ音がして指と手しか自由に動かない。

手錠……?

私はもう一度横になり、とりあえず今までの事を思い出して、何故このような状況になっているのか状況を整理する事にした。

ガラスの割れる音が聞こえて起きて、リビングに降りて、千草に会って、逃げて、捕まって、千草にバットで殴られて……。

そこからの記憶がない。

多分殴られた時、すぐ気絶したのだろう。

「千草、いるの?」

私は、声を出してみる。

だが返って来たのは無音だけだった。

つまりここには誰もいない。

そして手首には手錠、目隠しをされて誰もいない。

監禁されている……?

この状況からしたら多分監禁されているに違いない。

ただ何も見えないというのはとても不安になる。

なら、まずは……。
< 12 / 20 >

この作品をシェア

pagetop