新・私と君とのオベシャニエ
「罪……代償……」

「木葉に何したんだよ!!」

僕は思わず叫んでしまっていた。

重たい空気が驚きの空気に変わる。

「……知りたい……?」

「あぁ」

「フフ……教えてあ・げ・な・い……フフフフフ」

「な、なんだと!!」

あまりの返答に思わず殴りに行きそうになったが、沙戯那君が肩を掴み首を横に振った。

「だ、だけど……」

「ここは僕に任せて」

僕を制するように言って、沙戯那君が一歩前に出た。

「柚木さん、どうしたら教えてくれるんだい?」

「そんなに……知りたいの……?」

「僕はクラスの委員長だよ。クラスの事、特に生徒の事に関しては知らなくてはならない」

「そうなの……なら教えてあげても……良いわよ……フフ」

薄気味悪い笑みで僕たちの方に顔を向けた。

その笑みに女子の何人かが後ずさった。

「ただし……私に……勝ったら……ね」

言葉が終わると同時に柚木はこちらに向かって走って来た。

「皆!!逃げて!!」

小梅さんが叫ぶと同時にクラスの生徒達は、一斉に廊下を走りだした。

ただ僕と沙戯那君はその場から動こうとしなかった。

こいつから木葉の事を聞き出すまではここから逃げるもんか!

「死ねぇぇぇぇぇ!!」

柚木は、そう叫びながら沙戯那君の前まで来るとバットを振り上げ、沙戯那君目掛けて一気に振り下ろした。

「沙戯那君!!」
< 13 / 20 >

この作品をシェア

pagetop