新・私と君とのオベシャニエ
階段の方から怒鳴り声が聞こえた。

少し太って背の高い体型から見てまず大人、制服も着ていない、ということは多分先生だろう。

「先生早く……」

「アハハハハハ!! 邪魔しないでちょうだい!!」

僕の言葉を遮り、沙戯那君からバットを振り払った千草が振り返り、先生の方に走りだした。

「柚木か? 何をして……」


「アハハハハハ!!」

千草は先生の前に立つと、バットを振り下ろした。

鈍い音がして先生が倒れた。

「先生!!」

僕は駆け寄ろうとしたがまた沙戯那君が僕を手で制した。

「待って、すぐに対処するから」

「対処って?」

沙戯那君は答えてくれず、一度目をつぶり深呼吸して再び目を開けた。

「フフフ……じゃ、もう一度……アハハハハハ!!」

気の狂った用な声と形相で僕たちに向かって走ってくる。

「次元よ、僕たち人間三人を、第三南倉庫に転送するんだ」

沙戯那君が訳の分からない事をつぶやいた。
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