新・私と君とのオベシャニエ
三度目!

私はドアを蹴った。

凹んだドアは、やっと倒れた。

私も鈍った……。

そう思った時、部屋の外に二人の人間が現れた。

一人はさっきの、青い男。

確か……青龍。

そしてもう一人は全身白色の服を着た男。

白虎っと言ったところね。

私を捕らえに来たか?

私はすっと構える。

「悪いな、お嬢さん。傷は大丈夫か?」

青龍の渋く低い声が私に向けられた。

「おいおい、暢気にそんな事言ってていいのかよ」

横の白虎みたいな奴が青龍を見ながら言った。

「構わん、元々は民間人だ」

「でもよ、リーダーのお気に入りなんだろこいつ」

「あぁ、だが逃がしてやらなくてはならない」

どういう事……?

ドアを蹴る音が聞こえたから私を黙らせに来たわけでは無い……?。

とりあえず私は構えるのを止めた。

「そんな事したら、俺達クビだぜ」

白虎みたいな奴が頭の後で手を組んで興味なさそうに言う。

「それ覚悟で、来たんだろう?」

「まぁな。でももう目覚めておまけにドアを潰すなんてな、本当に女かお前?」

「失礼だ。この人は女性だ。すまない自己紹介が遅れたな、俺は青龍、そして隣のが白虎だ」

……微妙なフォローね。

でもまさか本当に白虎だなんて、笑えるわ。

笑わないけど。

感情薄いから……。
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