新・私と君とのオベシャニエ
「あたし、柚木千草。よろしくね!」

彼女は中学3年生の始業式の日、明るい笑顔で教室で私にそう言った。

なんで私に声をかけたのか、それは分からない。

ただその笑顔はもう二度と見れないだろう。

千草は4月の始業式の次の日から休み始め、12月の中旬やつれた顔で登校して来た。

千草はおかしくなっていた。

授業中いきなり叫んだり、笑ったり、泣いたり。

始業式の日とは全くの別人になっていた。

そして昨日。

「朝、一緒に登校しよう!!」

休み時間、千草の言葉は普通だった。

彼女が私に声をかけてきたのは始業式以来だった。

私は、千草の事など正直どうでもよかった。

昔約束した、彼にさえ会えればそれでよかった。

私の人生は彼中心に進んでいた。

彼と会ったら始めに何を言うか。

これはもう千回以上考えていると私は思う。

だけどまだ決まっていない。

たくさん考えすぎて決めれていない。

話を戻そう。

私はまともな千草の言葉に思わず頷いてしまった。

「なら、明日あなたの家に向かいに行くから!!」

千草は、そう言って笑顔を見せた。

ただその笑顔はどこか暗く、そしてまた、裏がありそうな怪しい笑顔だった。
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