君の手を繋いで
それから、俺達の仲も、変わってしまった。
兄貴が死んでから、話すことが少なくなってしまったかのように思う。
元々学校でもクラスが離れていたし、日向は部活もやっていたから話すことは少なかった。
でも、それだけじゃなかった。
日向は、明らかに俺のことを避けていた。
今までのように、偶然学校の廊下で会ったり、家の前で会ったりした時は、挨拶して、軽く話をする。
それでも、俺には、今までと違うということはすぐに分かった。
兄貴と日向が付き合っていた時でさえ、平気で俺は日向に近づくことはできていたし、日向も俺に近づいてきていた。
なのに今は、どれだけ俺が日向に近寄ろうとしても、まるでそこに見えない壁があるかのようで、近寄れない。
その理由が、俺には分からなかった。
日向……
幼なじみって……俺らって、こんなもんなのか?