君の手を繋いで


コンビニでポカリとアイスと牛乳を買い、俺はコンビニを出た。


コンビニを出た途端、むあっと熱気が体中に染み渡る。

折角コンビニで少し涼んだのに……


そこでふと横を向いた。


「あ……」


本当に偶然だった。


偶然、日向がコンビニの前を通りかかった。

日向も、すぐに俺に気付いた。


「あ……」


「……よう。買い物か?」

日向の手にはスーパーの袋があって、俺はそれをみて、とりあえず日向に言った。


「うん。夕飯のね。そっちは?」

「暑いから冷たいもん買いに……あと、母さんにパシリにされて」

「そう……」


短い会話をして、流れ的に俺達は一緒に帰ることになった。



俺は日向の右側を歩く。

日向と並んで歩くのは、久しぶりだった。

というか、多分日向と二人で並んで歩くのは、初めてだ。

俺と日向が一緒の時は、必ず兄貴もそこにいたから……




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