感方恋薬-かんぽうこいやく-
明日への希望は決して捨てちゃ駄目よ!貴子、ファイト!


「じゃあ、そういう訳だから、よろしくね。ばいび~」


「ばいび~って則子、あんた何年の生まれだぁ!」


あたしの抗議を無視して則子はくるりと背中を向けると右手をひらひらさせながら颯爽にあたしの前から立ち去った。


あたしの心の中には広大な乾いたアメリカ西部の大地に風が吹き渡った光景が映し出された。


勿論、根無し草もころころと、転がっている。


         ★


「ただいま~」
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