感方恋薬-かんぽうこいやく-
「…うん」


「と、言う事は、この一件に関しては、既に完結しておると言う事じゃ」


「完結?」


「左様、完結じゃ。要するに、おまえさんの弟と、その彼女の間に惚れ薬など必要無いと言う事じゃ。惚れ合って居る同士に惚れ薬を使って、何の意味が有るんじゃ?」


「あ…」


あたしはやっと気が付いた。確かに爺の言う通りだ、同じ温度の水同士を足した処で温度が上がる訳が無い。


「じゃあ、じゃあどうすれば良いの?」
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