感方恋薬-かんぽうこいやく-
「話声?なんかの聞き間違いじゃ無い?あたしは今迄この部屋に一人きりだったぞ」


「そうかい?なら、別に良いんだけどさ」


弟はあたしの事を完全にうたぐって居る。


確かに爺と話をしていたのは事実だ。


弟は本格的に顔を部屋の中に突っ込んで周りをひとしきり見渡していた。


「ど、どお、納得したでしょ、誰も居ないでしょ?」


「う、うん、まぁ、誰も居ないみたいだけど、なんか隠して無いか姉貴…」
< 124 / 327 >

この作品をシェア

pagetop