感方恋薬-かんぽうこいやく-
「じ、爺!」


爺は、あたしの肩口から顔を覗き込ませて鍋の中身をじっと見て居る。


「こ、こら、爺!心臓に悪いから、現れるなら断ってから現れろって言ってんだろ!」


「それじゃ、つまらんじゃろ」


「つまらんて、そんな問題じゃ」


「ほら、早くかき混ぜんか。鍋の中身が焦げるぞ。それに、ガスの火が強すぎじゃ。もう少し弱くせんか」


それを聞いてあたしは鍋の中身を見る。


ヤバイ、なんか焦げ付きそうな雰囲気だ。
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