感方恋薬-かんぽうこいやく-
爺は「かっかっか」と笑いながらすっと姿を消した。


残されたあたしは、巻物を広げながら、茫然と立ち尽くした。これを一体どうしろって言うんだ、爺は?


 取り合えず出来た薬を薬瓶に移して台所を片付けると、部屋に戻ってベッドに寝っ転がりながら爺がくれた巻物を眺めた。


「やっぱり分からん…」


みみずがのたくった様な文字を眺めながら、さて、どうしたもんかと思案した。しかし、中々妙案が出て来なかったが、はたとあたしは、学生だと言う事を、思い出した。そうだ、簡単じゃ無いか。
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