感方恋薬-かんぽうこいやく-
そうだ、こいつが居た。


科学室の爆発から怪我一つ無く生還出来るマッドサイエンティスト予備軍が此処に居るじゃ無いか。此れを使わない手は無いだろう。


「ねぇ、幸、これ、なんの事か分かる?」


幸は本格的に「四角」が書いた訳文を読み始めた。


「ん~詳しい事は、もう少し詳しく読み込んで見ないと良く分りませんが、どうやら何かの漢方薬の作り方っぽいですねぇ」


「ねぇ、幸、実はあたしのひい爺ちゃんが薬剤師いたいな事してて、それの製法を書いた巻物が出て来たんだけど、読め無かったから「四角」に訳して貰ったんだ。もし、これ材料が揃うんならちょっと作ってみたいきあするんだけどなぁ」


あたしは自分の舌が二枚に増えて行く事を確実に感じて居る。
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