感方恋薬-かんぽうこいやく-

第5節

ただ、マッドサイエンティスト予備軍の幸には、おおよその見当が付いて居る可能性が無い訳では無い。


事実今の質問も、ただ自分の解析結果が正しいかどうか確認しただけの節が有る様な気がしないでもない。


妙に自信有り気な口調に感じなくも無い。


これは、あたしが隠し事をしているという後ろめたさを巧みに突いた心理攻撃かも知れないが、兎に角あたしは、すっトボけて居るしか無かった。


「ああ、それから貴子さん」


会話が終わったと思って視線を幸から外し掛けた時に、突然話し掛けられたので、あたしの小鳥の様な心臓(?)は喉から飛び出すかと思う位ぶっとんだ。
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