感方恋薬-かんぽうこいやく-
そしたら、例の雷雲が、そーっと顔を出したがっていたが、あたしが一睨みしたら、さっと地平線に隠れて居なくなった。


どうやら幸が今熱中している物はマッドな物の様だ。
そして、あたしは直ぐに気が付いた。


今、彼が熱中するものと言ったらアレしかない。


そう惚れ薬の製法だ。材料は有ると言って居た。
爺は昨日薬や呪術は出来るだけ秘密にする様に言って居た。


そして幸には薬の製法の訳文を渡してしまった。


そして雷雲が、ぴょこんと顔をのぞかせる。


と、言う事は幸は薬を現代科学だけで作成してしまうかもしれない。


但し、何の為に其処まで熱中するのかはあたしには理解出来なかった。
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