感方恋薬-かんぽうこいやく-
つまり彼は学校で一夜を明かしたという事らしい。


更に困ったのは幸の機嫌が至極良かった事だ。つまり、実験は成功したという事らしい。


確かに昨日の深夜、学校方向で雷が鳴る音が聞こえた様な気がしたし、朝のニュースの天気予報で、原因不明の局地的な雷雲発生が観測されたとか言って居た様な気がする。


「お早う御座います貴子さん」


あたしが教室に入ると幸は嬉しそうにあたしに向って駆け寄って来た。そしてあたしの両手を掴むとぶんぶんと振り回して


「喜んで下さい!薬の精製に成功しました、これも皆貴子さんのお陰です」
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