感方恋薬-かんぽうこいやく-
あたしは兎に角、ベッドから這い出して制服に着替えると、ぼさぼさの髪の毛で、一階の洗面所に向った。


と、丁度弟が鼻歌交じりに歯を磨いて居た。


快晴な訳でも無いのに朝から明るい奴だ。


「まだぁ?」


あたしは、ブッチョウ面でちょっと不機嫌そうな素振りを見せつつ弟に圧力を掛ける。


「ふぁだふぁよ…」


未だだよと言いたいんだろう。
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