感方恋薬-かんぽうこいやく-
「さ、さ~て、宿題でもやろうかな」


と、全然やる気も無い事をワザとらしく言うと、あたしは自分の部屋に逃げる様に入って行った。


ちょっとの間、部屋の外を弟がうろうろしている気配が有ったが、それも直ぐに無くなった。


今度から爺と話す時には少し気を付けよう。


あいつの事がバレても話がややこしい事になりそうだ。


と、其処まで考えて、ふと疑問が浮かんだ。


爺は、何故弟で無く、あたしを選んだのだろう。
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