感方恋薬-かんぽうこいやく-
「あのう、この前頂いた薬の事なんですけど…」


「あぁ、それがどうかしたの?」


あたしは、取り合えず何も気が付いていない振りをして紀美代の話を聞いた。


「大変失礼な御話しなんですが、あまり効果が出ない様な気がしまして、何か、効果的な使い方が有るんでしょうか?」


紀美代、はっきり言って、効果はかなり出てるぞ、あのマッドサイエンティストが女の子の方に視線を向けてるんだから。


気が付かないのかな、この子は。


でもまぁ、彼女の席は、幸の前だから授業中彼がどんな行動を取っているか分からないのも無理も無いが。
< 234 / 327 >

この作品をシェア

pagetop