感方恋薬-かんぽうこいやく-
傍から見ると、あたしの眼はハートの形に成って居たに違いない。


そして、その感情は、どんどん膨らんで、彼に見詰められて居るだけで、心が苦しくなる。あぁ、愛しい、恋しい…幸雄さん、幸雄さん。


いいえ、「さん」なんていう敬語じゃぁだめよ貴子、「様」幸雄様って呼ばなくちゃ。でも、でも、あたしの目の前の幸雄様は、事もあろうに、あたしなんかを見て、優しく微笑んでくらっしゃってる。なんという幸せ。


この貴子、身も心も幸雄様のものです。


もう、どうにでもしてくださいませ。
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