感方恋薬-かんぽうこいやく-

第2節

あたしは、全身から、だ~っと冷や汗が流れおちるのを感じて居た。


幸は、あたしの様子を確認すると、


「また、作り直して出直してきます」


幸は、そう言うと、とぼとぼと歩き去り、自分の席に、ちょんと座った。


「だから、気を付けろと言ったであろう」


「じ、爺…」


「どうやら、彼は、薬の精製に完全に成功した様じゃな」


あたしは、あたりを見渡すと、真後ろに爺が杖を持って立って居るのに気が付いた。(正確に言うと、空中に浮かんで居たのだが)
< 247 / 327 >

この作品をシェア

pagetop