感方恋薬－かんぽうこいやく－

体格もあたしを追い抜いて、精神的にもあたしを追い抜きつつ有るのだろうか。


え～い、つまらん事を考えて居てもしょうがない、あたしはあたしだ。


それ以上でもそれ以下でも無い。ゴーイングマイウェイだ！


そう思って、あたしもリビングを出て自室のドアを開くと其処には爺が立って居た。


「おう、来たか、貴子よ」


「何？何か用事？」


「ふむ、まぁ、大した用事ではないが、これを渡したくてのう」


爺は着物の懐を、ごそごそと探す。