感方恋薬-かんぽうこいやく-
いいえ、この胸の内をあなたに伝える術なんかこの世には存在しないわ。
あたしは、貴方の事を、影から見守る可憐な一輪の花に成るの。
そして、貴方がもし其れに気付いてくれたら、迷う事無く手折って下さいませ。
あたしは、何時までも貴方の手の中で咲き続けることでしょう。
かこん!
「いって~な!」
あたしは、そう叫ぶと衝撃の有った後頭部を抑えて後ろを振り向いた。其処には爺が立って居た。
「いて~なでは無いわい。あっさり相手の術中に落ちおって」
「え?相手の術中って」
「惚れ薬の臭いを嗅がされたんじゃ」
「げ…」
あたしは慌てて正面に向き直ると、幸が薬瓶を構えた姿勢であたしの前に立って居た。
あーりゃ、こりゃこりゃ…。
今、本気で幸の事を好きに成りかけたぞ。
あたしは、貴方の事を、影から見守る可憐な一輪の花に成るの。
そして、貴方がもし其れに気付いてくれたら、迷う事無く手折って下さいませ。
あたしは、何時までも貴方の手の中で咲き続けることでしょう。
かこん!
「いって~な!」
あたしは、そう叫ぶと衝撃の有った後頭部を抑えて後ろを振り向いた。其処には爺が立って居た。
「いて~なでは無いわい。あっさり相手の術中に落ちおって」
「え?相手の術中って」
「惚れ薬の臭いを嗅がされたんじゃ」
「げ…」
あたしは慌てて正面に向き直ると、幸が薬瓶を構えた姿勢であたしの前に立って居た。
あーりゃ、こりゃこりゃ…。
今、本気で幸の事を好きに成りかけたぞ。