感方恋薬-かんぽうこいやく-
第6節
「どうかしたんですか貴子さん、誰か居るんですか?」
幸はそう言うとあたしの肩越しに後ろを覗きこんだ。しかし、爺は幸には見えない。見えるのはあたしだけだ。
「う、ううん、別に何でも無いのよ」
しかし用心に越した事は無い、あたしは幸を押しのけて後ろを見るのを止めさせた。
「そうですか?誰かと話して居る様に見えましたけど…」
「え、そ、そんな事、無いよ」
あたしは、その場を取り繕うのに必死だった。
幸はそう言うとあたしの肩越しに後ろを覗きこんだ。しかし、爺は幸には見えない。見えるのはあたしだけだ。
「う、ううん、別に何でも無いのよ」
しかし用心に越した事は無い、あたしは幸を押しのけて後ろを見るのを止めさせた。
「そうですか?誰かと話して居る様に見えましたけど…」
「え、そ、そんな事、無いよ」
あたしは、その場を取り繕うのに必死だった。