感方恋薬-かんぽうこいやく-
「爺…」


あたしは爺に向かって憐み一杯の声で話しかけると、爺は表情を一転させた様にあたしに向かって振り向くと、


「おお、考え直してくれたか!」


「全然。それに可愛く無い…」


爺は再びその場にしゃがみ込んだ。


        ★


「こんな感じで良いかな?」


あたしは煮詰まった鍋の中を覗き込むと自信なさげに呟いた。
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