感方恋薬-かんぽうこいやく-
「ふむ、こんなもんじゃろう」


取り合えず、いじけた状態から立ち直った爺は、あたしの肩越しに鍋の中身を覗き込んでそう答えた。


其れを聞いてあたしは鍋の中身を薬瓶に移し替えた。


「処でどうやって使うの此れ」


「うむ、惚れ薬と同じじゃ。手首やうなじに付けておけば防御魔法になるのじゃ」


「成程じゃあ明日の出掛けにでも使って見るわ」


「気を付けるのじゃぞ。それから、この薬の有効期限も一週間程度じゃからな。注意して使ううんじゃぞ」
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