感方恋薬-かんぽうこいやく-
「うん、分かった」
あたしがそう言うと、爺はふっとその場から気配を消した。
★
「お早う御座います、貴子さん!」
幸は今日も朝からハイテンションであたしが教室に入るや否や、どかどかとあたしに向かって歩いて来た。
「今日こそ、今日こそはカンっぺきな薬です!」
幸の勢いに少し押されて、あたしは少し後ずさりながら作り笑顔を貼り付けて
「お、おお、じゃ…じゃあやってみぃ」
思わずそう答えてしまった。
「では、お言葉に甘えまして」
幸はそう言うと懐から薬瓶を取り出して、あたしの鼻先に突きつけた。瓶の口から、薔薇の良い香りが漂った。そして…それだけだった。
「どうですか貴子さん?」
「ん~特に変わった事は…匂いは良いけど」
「そ…そうですか」
幸はちょっぴり寂しそう―――
あたしがそう言うと、爺はふっとその場から気配を消した。
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「お早う御座います、貴子さん!」
幸は今日も朝からハイテンションであたしが教室に入るや否や、どかどかとあたしに向かって歩いて来た。
「今日こそ、今日こそはカンっぺきな薬です!」
幸の勢いに少し押されて、あたしは少し後ずさりながら作り笑顔を貼り付けて
「お、おお、じゃ…じゃあやってみぃ」
思わずそう答えてしまった。
「では、お言葉に甘えまして」
幸はそう言うと懐から薬瓶を取り出して、あたしの鼻先に突きつけた。瓶の口から、薔薇の良い香りが漂った。そして…それだけだった。
「どうですか貴子さん?」
「ん~特に変わった事は…匂いは良いけど」
「そ…そうですか」
幸はちょっぴり寂しそう―――