感方恋薬-かんぽうこいやく-

第3節 そいつが言う事にゃぁ

でも、面識は無い。あたしは、物は試しにその爺ちゃんに思い切って聞いて見た。


「あ…あのさ、あたしの名前知ってる?」


爺さんは何の躊躇いも無く答えた。


「何を今更、あんたは玄孫の貴子じゃろ」


し…知ってる。あたしの事を知ってる。


「のう、貴子…」


き…急になれなれしく成ったな爺。


「お前さんが、本当にやる気が有るのなら、わしの知っている呪術を教えてやってもよいのじゃが…」
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