感方恋薬-かんぽうこいやく-
「よいのじゃがって、教える代わりに魂よこせとか言うんじゃ無いの?」
「何を莫迦な事、言っとるんじゃ。血縁関係者の魂なんぞ要らんわい。と、言うより報酬なぞ望んでおらんわい」
「でも使うのは他人の為だけで、教えた呪術で正義を貫けとか恥ずかしい事言うんでしょ?」
爺は白い鬚を擦りながら真顔で答えた。
「いや、別に自分の為でも他人の為でも、あんたが言う通り正義の為でも何にでも使うが良い」
あたしは、ちょっと拍子抜けした。
こういう時は、お決まりで何かやらなけりゃならない物なのだが…そう考えた次の瞬間、はたと思い付いた。