感方恋薬-かんぽうこいやく-
第5節 呪術の傾向と対策
普通なら魔法陣でも書いて呪文を唱えるとかしなければ、あの手の物は呼べないんじゃ無いのかな。
そういう手の本を過去に何冊か読んだ覚えが有るが皆、何かしなければ現れない事に成っていた。
おそらく、あの爺もそうだろう
…いや、そうに決まっている。
で、なければ、有り難味とか不思議さと言う点で存在感に欠ける。
「おーい…」
あたしはほんの冗談のつもりでそう呼んでみた。
そして、なんとなく可笑しくて、少し笑ってしまった。その時だった。