感方恋薬-かんぽうこいやく-
あたしは驚いて聞いた。


「爆発って、幸、大丈夫なの」


その問いに珍しく幸は胸を張って答えた。


「ええ、大丈夫です。爆発を避けるには、ちょっとしたコツが有るんです」


幸は瞳をきらきら輝かせながらあたしに言った。


あたしは改めて思った。


なんでこんなのしか、あたしの周りには居ないのだろう。


あたしは前世で何かやらかしたのだろうか。


ぽつりぽつりと思い出した様に幸と車中で話しながら過ごしていると、降りる停留所にバスは到着し、幸に、じゃあ又明日と挨拶してあたしはバスを降りた。
< 72 / 327 >

この作品をシェア

pagetop