感方恋薬-かんぽうこいやく-
確かにこの前作ったよりも香りが強い様に感じた。


「よし、そろそろ頃合いじゃのう」


爺は鍋に手を翳すと、何か念を込めた。


それと同時に鍋の中の薬がほんわりと光りを放ち、直ぐに消えて又、元の液体に戻った。


「よし、これで完成じゃ。適当な瓶にでも詰めて使って見るが良い」


あたしは爺の顔を見た。


長い眉毛と鬚が眼と口を隠してしまって居たのではっきり断定できないが、にかっと笑った様に見えた。
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