感方恋薬-かんぽうこいやく-
その表情は、あたしの額に掌を宛がいそうな勢いだった。
「いい、此れを、手首とかうなじに付けて彼女の前を通り過ぎなさい。そうすれば、あんたの全ての悩み事が消し飛ぶ筈よ」
弟は本格的に、はぁと言う表情に変わり、右手があたしの額に向って動き出した。
それを見てあたしは、その手を払い除けると
「信じなさいよあんた。姉が夜なべして可愛い弟の為に作って上げた薬なんだから。騙されたと思って使ってみなさい」
「いい、此れを、手首とかうなじに付けて彼女の前を通り過ぎなさい。そうすれば、あんたの全ての悩み事が消し飛ぶ筈よ」
弟は本格的に、はぁと言う表情に変わり、右手があたしの額に向って動き出した。
それを見てあたしは、その手を払い除けると
「信じなさいよあんた。姉が夜なべして可愛い弟の為に作って上げた薬なんだから。騙されたと思って使ってみなさい」