感方恋薬-かんぽうこいやく-
「はい、結構ぎりぎりですが、今の処、遅刻した事は有りません」


あたしは幸の言葉でほっとした。

内心、間に合わなかったらどう言い訳するか思考を巡らせていた処だ。


しかし、幸はこのバスで間に合うと言うから余計な事は考えなくても良いらしい。


「貴子さん珍しいですね。僕が教室に行くと、いつも、先に着いてるのに」


「あ、うん、ちょっと朝、出掛けにごたごたしちゃって何時ものバスに乗り遅れたの」
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