【企】ハルの音色
「あの人たち、いつもあんな感じなんですかね?」
ため息と共に出た言葉に、美那さんは苦笑した。
「そうだね。どんな時でもあんな感じかも」
どんな時でもって……
「俺、よく美那さんの近くで見かけます」
そう言うと、苦笑とは違う、少し困ったような……悩ましいような表情で、
「実はあの子たちと専攻が一緒でね、授業が一緒のことが多いから、たまに一緒にいるの」
一緒に……
一緒に……?
俺が見た時はいつだって、美那さんは一人だった。
あの人たちばかりが固まって喋って……
美那さんは、いつもその前か後ろにいた。