無口な先輩

家庭科室に着くと、ちらほらと生徒達も集まっているみたいで少し騒いでいた。





ふぅ。これなら、少し安心かな。





そう思いながら、適当に席に座った。






それから、委員長が来て委員会が始まった。







委員会の内容は、別にこれといって重要な事ではなく、ただの持ち場の担当決めだった。






それから１０分ぐらい委員長が話して、委員会が終わった。






皆が帰る中、私も帰ろうと思い鞄の中に筆記用具を入れようとした時。



チャックが開いていたらしく、誤って中に入っていたペンを床に落としてしまった。




無惨にも、ペンは何本もいたる所に転がっていった。





「あ、やば･･･。」





急いで拾っていると、目の前に自分のペンが差し出された。







「はい。大丈夫？」





ペンを差し出していたのは、偽りの王子様の笑顔をしている吉田君だった。