無口な先輩
歩いてきた先輩は、私の前に来て止まった。
上から見下ろさせてる感じ。
言い方が凄く悪いけど、それぐらい先輩は大きかった。
私が小さいわけじゃなくて先輩が大きいだけ。
180センチ以上はあるだろう。
それだけ大きくても、目の前にいるのに目の前にいないように感じる。
人を寄せ付けないというかちょっと冷たい感じにもとれる。
遠目で見た時はそんな感じしなかったのに。
考えてると吉田くんがいきなり声を出して笑いだした。
「はは!結城先輩が笹岡さんに??冗談はよして・・・・」
「・・・だったら?」
吉田くんが言いおわる前に先輩が言った。
信じられないような顔の吉田くん。
「だからどっか行って。」
先輩は吉田くんに普通に言ったんだと思う。
でも、声が低いせいか先輩が出している雰囲気のせいか。
凄く冷たかった。
私に言ってるんじゃないのに、体がびくってなりそうだった。