無口な先輩





「あの・・・」




大きな空に似合わず小さく放った言葉。





それでも、男の子はちゃんと声が聞こえていたみたいでゆっくりとこっちを向いてきた。






「・・・・。」





数秒間、視線が交わっているにも関わらず会話が見当たらない。





ってやっぱり・・・起きてたんだ。




それにしても、高くしっかりとした鼻にはっきりとした輪郭。


茶色がかった髪に凛とした強い瞳。





誰が見てもかっこいいと思えるぐらいの容姿・・・。




こんな人がこの学校にいたなんて知らなかった。






「・・・・何?」






いつまでも黙っている私に呆れたのか、少し擦れた低い声で言ってきた。





「いつからここに居たんですか・・・?」





「・・・ずっと前から。」





そう言って男の子は、再び空に目を向けた。






前ってことは・・・。





全部聞いてたってこと?







う・・・気まずい。





見知らぬ美人?な男の子に自分の振られるところを聞かれるなんて。





信じられない・・・!







「やっぱり・・・聞いてましたよね?」





「・・・。」





「・・・?」




「・・・。」





無視ですか!?





一応聞いてみようと思ったけど、会話してくれる様子がないし・・・。





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