無口な先輩
「・・・見えてるんだけど。」
「え?」
不意に男の子が私を見て言ってきた。
何が?
って思った時には、バッ。と音が出るくらいにスカートを即座に直した。
転んだ拍子に捲れてしまったようで。スカートが。
うん。見えてたのは、きっと、いや絶対下着。
「え、えっ・・と、あ・・の、です、ね。こ、これは!」
真っ赤な顔に噛み噛みな言葉。
は、恥ずかしすぎる!!
「慌てすぎ・・・。」
声がした方を見たときには、姿が見えなくて。
また空に視線を戻したみたい。
うぅ・・・。
最悪だ・・・。
あっちは、全然気にしてなかったのに
バカみたいに慌ててたあたしが本当に情けない。
というか、第一印象最悪すぎない?
はぁ・・・。とため息を心の中にして、チャイムと同時に屋上を出た。