無口な先輩




「きゃー!!せんぱーい!」



「こっち向いてー!!」





クラスの女子の大半が・・・というか私達以外の子達が窓から見える校庭に向かって叫んでいる。






「え?何?」



驚きすぎて声が出なかった私がやっと発した言葉。




ふと咲を見ると、さっきまで涙でうるんでいた目がキラキラしてる。



「あっ!次の体育は、イケメンクラス!!」




「イケメンクラス・・・?」



って、そのネーミングセンスはないでしょ。





誰が付けたんだろう・・・なんて考えたら、ぐいっと腕を咲に引っ張られた。




「早く見よ!」



強制的に、咲に言われて窓の外を見てみるけど。




・・・・。





・・・うわー。





いや、イケメンとかより何よ、これ。






窓の外から見える他の教室を見ても女子、女子、女子!




女の子が窓を埋め尽くしてるんじゃないかってくらいいっぱい。





クラスの子を見ても、先輩、先輩、と大声で呼び掛けてる。





私達は一学年だから先輩って言ってるからには、二学年か、三学年よね?



なんで、他学年の体育の授業知ってるの!?とつっこんでみたい。





「あ〜でも、まだ結城先輩来てないみたい。」




沢山聞こえる声の中残念そうにクラスの子達が口を揃えて言う。





結城・・・先輩?





「結城先輩って誰か知ってる?咲?」





「唯、知らないの!?」





うわっ!



あまりの迫力に体がびくっとする。





「3年3組のイケメンクラスの中でも上位にあがる結城 将也先輩よ?」




ゆうき、まさや・・・先輩。





やっぱり聞いた事がない。





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