無口な先輩





いくら脳を回転させても全く聞いた事のない名前だった。





「ふーん・・・。」




そう、気のない返事をしても咲は外のイケメンの先輩達に夢中の様子だ。





しばらくして、休み時間の終わるチャイムが鳴り皆席に座りだした。







私は丁度窓側の席でふと隣を見ればイケメンクラスの体育の授業が始まっていた。





整列して並んでいる姿は、全員が一般的に見てもかっこいいと思えるぐらいの容姿だった。






確かにかっこいいけど、イケメンオーラがありすぎるというか・・・。





私はちょっと苦手かも。





少し整列姿を見ていたら、茶色がかったさらさらの髪の人が見えた。






「・・・あっ!!!」





音を立てる机と椅子。



それと同時にしーんと静まっていた教室に私の声が響いた。






あ・・・やばい。






「どうしたんですか?笹岡さん。」




にっこりと寒気がするほどの笑みをプレゼントしてくれた国語の先生。





「・・・ごめんなさい。」





苦笑いしか出来ない私は、一言言って席に座った。






ちらっと校庭をもう一度みると、やっぱりさっき屋上にいた人だった。





準備運動も終わったみたいで各自ばらばらに動いていた。




見たところサッカーの練習試合らしく、屋上にいた先輩は無表情でサッカーボールを蹴っている。






そうすると、いきなり相手チームの人達がボールを取ろうとするも、ひょいと軽々かわしてそのまま綺麗にシュート。






・・・って!上手すぎでしょ!








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