この胸いっぱいの愛を。
▼第1章 〔始まり〕
・妹 兼 マネージャー
〜桃香side〜
────────…………
「じゃあね、モモ!!」
「うん、また明日♪」
放課後、私は友達と別れて、小走りである場所に向かった。
窓から入ってくる風が心地よくて、
思わず頬を緩めてしまう。
友達を見付ける度に笑顔で手を振って、辿り着いたのは、とある部室。
「こんにちはーっ!!
………って、ありゃ?」
いつも誰かしらいるはずの部室。
なのに今日はまだ誰も来ていないらしく、鍵が閉まっていてドアが開かない。
「鍵取ってこなきゃ!!」
めんどくさいと思いつつ、
私はさっき来た道を走った。
鍵の管理ができるのは、マネージャーの私と三年生の先輩たちだけ。
他の部員を外で待たせないためにも、早く鍵を開けなきゃ!!
私は職員室の壁に掛かっている
鍵をひっ掴んで、急いで部室に戻った。
.